大切な衣服に穴を開けてしまう憎い虫たち。そんな虫たちの害を防いでくれる頼もしい味方が防虫剤です。防虫剤の種類や上手な使い方について、少しお勉強してみましょう!


防虫剤は四種類に大別することができます。そのうち臭いのあるものは三種類、無臭のものが一種類です。それぞれについて簡単にご説明しましょう。

ピレスロイド系
(無臭タイプ)

衣服に防虫剤の臭いがつくのを嫌う人は多いと思いますが、これは無臭タイプなので安心です。他の防虫剤と併用できる点も特長と言えるでしょう。使用できる素材/毛・毛織物・絹・木綿・麻・毛皮・皮革・化学繊維など

パラジクロルベンゼン
(有臭タイプ)

揮発性が強く、効き目の広がりは防虫剤のなかで一番。虫のつきやすいウールなどに適しています。また、防カビ効果もあって守備範囲は広い防虫剤です。塩化ビニールやスチロール製品などには使えません。使用できる素材/毛・毛織物・絹・木綿・麻・毛皮・皮革・化学繊維など

ナフタリン
(有臭タイプ)

防虫効果が長く、じっくりと効くタイプの防虫剤です。そのため、長期間保存するフォーマルな衣服に適しています。衣服だけではなく、骨董品やひな人形などにも使えます。使用できる素材/毛・毛織物・絹・木綿・麻・毛皮・皮革・化学繊維など

樟脳
(有臭タイプ)

昔から和服の防虫剤として使われてきました。臭いはありますが、それほど刺激は強くなく、むしろおだやかな香りです。効き目もゆっくりと持続します。使用できる素材/毛・絹など


防虫剤を効果的に使うためにはちょっとしたコツが必要です。とはいっても難しいものではありません。次にご紹介するポイントを覚えておくだけでOKです。

◎効果は上から降ってくる◎
防虫剤を置く場所は衣服の上と下、どちらがいいかご存じですか?答は上。防虫剤のガスは空気よりも重いため、下に置くと効果が全体に行き渡らないのです。

◎ぎゅうぎゅう詰めはバツ◎
衣服をぎゅうぎゅうに詰めてしまうと、防虫剤の効果は充分に発揮されません。衣服全体に効果を行き渡らせるためには、ある程度の余裕を持たせて収納するようにしましょう。

◎少なからず多からず◎
防虫剤にはそれぞれ適正量があります。少なく使うと効果も半減しますし、多く使うとガスが再び結晶になることも。製品に記されている標準使用量を守るようにして下さい。

◎防湿剤と合わせ技で◎
虫食い予防だけではなく、カビからも衣服を守りたいもの。防湿剤をいっしょに使えば収納時の大敵、虫とカビを防ぐことができます。



収納している間に衣服にシワがついてしまうことがあります。これは、収納の仕方に問題があったということ。衣服はできるだけ圧力がかからないようにゆとりを持たせてしまうようにしましょう。タンスに収納する時はぎゅうぎゅう詰めにせず、八分目を目安に。こうすればシワは防げます。


衣服の型くずれも収納時に起こりやすいトラブルです。特に注意したいのは、ニット製品。ハンガーにかけて収納するとのびてしまうので、面倒がらずに畳んでしまうようにしましょう。また、型くずれしやすい衣服はタオルを肩や袖に入れてふくらみをつけてあげるという方法もあります。